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新卒で金融関係のブラック企業に入社した話 その1

私はいつだって目立たないように生きたかった。

誰かの目に入れば、因縁をつけられたり、ダメ出しをされたり、自尊心を満たすのに使われるから。
人が、自分以外の誰かを「劣る存在」として叩きのめすことが好きなのは知っている。
何かを叩きのめすことで、自分の存在価値でも感じることができるのだろうか。
もしくは、気分が高揚するのだろうか。
ずっと前からそうなのだから、人はそういうものなのだろう。

子供だから、大人だから、というのは関係ない。
最近流行りの自粛警察もそうだ。
正義の名のもとに誰かを懲らしめてやるのは、きっと快感なのだろう。
正義なんてなくてもいい、自分は気に入らないという理由さえあれば。
もしくは、「不快な思いをさせられた」でもいい。
本当は、不快な思いなんてしていなくてもいい。
人を悪者にするのは簡単なのだ。
「こういう事をすれば不快な人もいることを知ってほしい」
とでも発言しておけば、簡単に気に入らない奴を悪者にできる。

自分は被害者、相手は悪者。
少し口が滑っただけ?そんなことは許されない。
悪者には、どんな制裁だってしてもいい。
責めて叩いてボッコボコにして、「あの人は悪人です」と皆に知らしめる。
悪人を吊るし上げて、完膚なきまでに叩きのめさなければ満足できないのだ。
それが、人間。



その標的になりたくなくて、私は隅の方で目立たないようにしていた。
何も発言しないのが一番だ。
目を付けられないようにするには、自分の印象など限りなく薄いほうがいい。
無難に生きていきたい。
ただ、家に帰ってゲームすることを楽しみにしていれば幸せだったから。



将来の夢などはなかった。
明るい将来を思い描いたことなどない。
そもそも、私は劣っている人間だ。
いつも友達に囲まれて、人生を楽しんでいる人たちとは違う。
隅のほうで、「楽しんでいる人たち」の標的にならないようにすることで精一杯。
彼らの視界に入らないように、彼らの機嫌を損ねないように。
多分、今後もずっと「下のほう」で、「上のほうにいる人たち」のご機嫌伺いをする運命なのだ。
明るい将来なんてあるわけがない。



***



私は「コミュニケーション能力がない」という自覚があった。

2000年代の世の中では「コミュニケーション能力=収入」と言われるくらいコミュニケーション能力は重要だった。
2020年の事情は知らない。
しかし、当時はコミュニケーション能力に難があれば間違いなく就職に困る世の中だったのだ。

大学4年生にして、私は行き詰まっていた。

公務員試験には落ちた。
就職活動で5社くらい面接に行ってみたものの、すべて落ちた。
その当時、履歴書は手書きが当たり前だった。
しかも1文字間違えたら修正液など使えず、最初から書き直し。
異常に書くスピードが遅い私は、1通の履歴書を書くのに2時間かかっていた。
それでも、2時間かけた履歴書を送っても、面接にたどり着くことさえほとんどなかった。
100社くらいは回るのは当たり前という人もいるだろう。
何が駄目なのか分からない状況で、ただ闇雲に続けていく気力が自分にはなかった。


相談できる人も、誰もいなかった。
運動系の部活に入っていれば、違ったのだろうか。
私の通っていた大学からは、非常に多くの卒業生がS銀行に就職していた。
しかし私自身はS銀行のOBと知り合う機会もなければ、学内に仲の良い先輩もいなかった。
顔見知りといえば、ゼミで一緒のメンバー(5~6人)だけだった。
私以外は全員男性、彼らは何を喋っているか分からないような、頭の良い人たちだった。
皆忙しそうにしていたので、週1回のゼミ以外で会うことも話すこともなかった。



このままフリーターになるのだろうか。
しかし、公務員試験のために留年までして、結果がフリーターだなんて親は納得しないだろう。
せめてどこかの民間企業に正社員として就職しなければ、さすがに申し訳ないという気がしていた。


最初から、手の届きそうにない企業は受けなかった。
ここなら自分でも採用してくれるのではないだろうか?
そういう企業ばかり選んでいた(見くびって失礼な話だが)
これは自己評価が低い人の特徴らしい。

恋愛・婚活でも、自己評価が低い女性はわざわざ浮気・暴力・ギャンブルをする男性を選ぶらしい。
イケメン・高身長・高収入の男性からアプローチされても、疑心暗鬼になり自ら遠ざけてしまうのだそうだ。
「自分は幸せになれるわけがない」という決めつけがその不幸を呼ぶのだという。
その理由については、様々な恋愛アナリストの皆さんが記事にしているのでここでは割愛する。


「自分は劣っている」という感覚を持ちながら就職活動をしていたのだから、良い結果が出るわけはなかった。
「ここなら入れるのではないか」と思った企業にも、ことごとく断られた。
私は現実逃避のため、学生でありながら派遣社員としてメーカーで働き始めた。
何かしていなければ落ち着かなかったのだ。
そうこうしている間に、あっという間に冬になり、未だに新卒を募集しているのは消費者金融・生命保険・商品取引(先物取引のこと)、この3業種だけとなった。

未だに募集しているということがどういうことなのか、私にもよく分かる。
給料はとてもいい。
でも、きっと死ぬほどイヤな仕事なんだろう。
勧誘の電話をかけまくるのだろう。
毎日罵詈雑言を浴びせられるのだろう。
心を病んで次々と人が辞めていくのだろう。



ああ、しかし私に見合うのはここだったんだな。
私は「劣っている人間」なんだから、人気のない企業で働いて当然じゃないか。
自然とそう思えた。


私は、大阪は堺筋本町にある、商品取引を扱う会社を選んだ。

従業員はたしか80名くらい。何となく名前を知っている会社の子会社だった。
ここで働けば、家賃8.5万円のアパートでただで暮らせるという。
大阪で、新築のアパートで1人暮らしができるなら、まあ仕事内容は我慢するか。
実際、書類も面接も今までの企業は何だったのかというくらいあっけなく通った。

つまり、誰でもいいのだ。

しかし「誰でもいい」と言ってくれる所しか、自分は入れない。
この現実を受け止めなければならない。
自分は企業を「選べる側」の人間ではない・・・
まるでこの選択は、私自身の自己評価を再確認したかのようだった。
「自分はこの程度じゃない!」と思える人生だったなら、この選択はなかっただろう。


私の自己評価の低さが、「この会社で働く」という選択を私に与えたのだ。


続く


うげ~何か暗い出だし!
こんなの書いてる私は心の病気なんじゃないの?


週末はウーバーイーツかテイクアウトが続いております。
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家で焼き鳥を食べてはならない・・・
なぜなら、ついつい飲みすぎてしまうから。
IMG_20200517_195908.jpg
昨夜、焼き鳥を食べながらワインを飲みすぎてエラい目に遭いました。
記憶をなくして、食べたもの全部吐いて、朝方まで気持ち悪くて寝られないという学生みたいなことをやってしまいました。

もう二度と家で焼き鳥は食べないぞ!!!



さ~て来週末は何を注文しようかな。


ブラック企業入社当時の私(厳密にいえば当時の写真はないので、その1年後くらい)
PICT0019.jpg
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小関 文

結婚相談所勤務。
レディーススラッシュメタルバンドVALKYRIE(ヴァルキューレ)でGt/Voをしてます。

スラッシュメタル、パワーメタルが好きです。
・・・が、音楽なら何でも好きです。
実はメタルを聴き始めて日が浅いので「これは定番でしょ!」というバンドやアルバムを知らなかったりしますが、温かい目で見守りつつ教えてもらえると嬉しいです。

休日はバスケ観戦などしてます。
Bリーグ始まって以来、大阪エヴェッサを応援し、舞洲でのホームゲームに足を運んだりしてます。
エヴェッサ以外のチームも応援してます。

ツイッターー→@damoin667
メタラーの方、ブースターの方、共通点ある方はフォローします(鍵付きアカウントの方除く)。お気軽にどうぞ。
最近フォローバックが遅れ気味で申し訳ありません。

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